WEB版すいせん [2019年12月号]

福井県内の専門・認定作業療法士の紹介②

氏名:田嶋神智
所属:医療法人博俊会 春江病院
役職:介護事業部 部長

 

1.超高齢社会と作業療法士の役割
 日本では、物凄いスピードで超高齢社会が到来し、団塊世代が75歳を迎える2025年問題が大きくクローズアップされています。多くの高齢者を少ない若者で支えていかなければならない現実が、目の前に起こっています。高齢化に伴い認知症の数やMCIの方も当然増えてくることが予想されます。

 このような中、国は社会保障費の抑制、医療費の削減を掲げ診療報酬や介護報酬の厳格化を今後さらに進めてくると考えられます。しかし、逆に国は介護予防や健康寿命の延伸を図ること、また高齢者が住み慣れた地域で安心して自分らしい自立した暮らしを送ることができる社会を目指そうとしています。

 我々作業療法士は生活を見る視点に長けている専門職です。国が方向性を疾病や障害に向けていたものを生活に向け始めた今こそ、作業療法士の力を存分に発揮するべきではないでしょうか。ひとの様々な生活行為を身体面・認知精神面・社会的側面から医学的に分析し、エビデンスに基づいた支援や指導を行うことで、生活の改善や生きがいの回復につなげることができる専門職です。

 

2.生活行為や役割の支援
 協会は対象者やご家族などに、作業療法の目的を共有しやすくしたツールとして生活行為向上マネジメントツールを開発しました。今やロボット、AIなど人の仕事が機械化されることは必然的になりつつあります。しかし、一部の生活行為や役割の中にロボットやAIの技術は入ってきたとしても、社会的な側面や認知精神面を含めた 生活の改善や生きがいの回復は難しいのではないかと感じています。

  我々作業療法士は超急性期から急性期、回復期、生活期、予防期といったそれぞれのフェーズで関わっています。その中で、心身機能面やADLの改善を行いながら、対象者にとっての生きがいや役割に目を向けた支援も同時に行っているものと思います。高齢化が進み少子時代を迎えた今、作業療法士の活躍する場は拡大されてきており、それぞれのフェーズの中でも細分化されてきている感があります。

 

3.専門・認定作業療法士を目指そう
 作業療法士の職域拡大に向け、またエビデンスに基づき生活の支援ができる作業療法士の魅力は一言では語ることができません。しかし、作業療法の効果が明確に出た時の喜びは計り知れません。この効果こそが対象者やご家族の笑顔と行動変容ではないかと思います。また、幅広い知見を追い求めていくといった自分の学びの気付きではないかと感じています。専門・認定作業療法士は一つのきっかけです。いろいろなことを吸収し自分の強みにしていくことが大事ではないでしょうか。

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