WEB版すいせん [2020年4月号]
福井県内の専門・認定作業療法士の紹介④
氏名:中山幸保
一般社団法人日本作業療法士協会:認定作業療法士・専門作業療法士(手外科)
一般社団法人日本ハンドセラピィ学会:認定ハンドセラピスト
所属:医療法人博俊会春江病院 リハビリテーション課
私の経歴は1982年に金沢大学医学部附属病院に勤務しました。翌年1983年5月から福井医科大学(現.福井大学)医学部附属病院への転勤と金沢大学病院の兼務を命じられ福井医科大学病院の開院準備と金沢大学病院での業務で福井と金沢を行き来していました。9月に福井医科大学病院に正式着任となり、10月に福井医科大学病院が開院となりました。その後1990年に福井医科大学病院を退職して春江病院に勤務しながら吉村整形外科医院の開院準備に関わり、吉村整形外科医院の常勤と春江病院の非常勤となり、2016年より春江病院に常勤として勤務しています。何となく落ち着きのない経歴ですが、金沢大学病院勤務時代に私にとって生涯の師である手外科医の吉村光生医師と出会い、手外科とハンドセラピィが私の第一のライフワークになり、現在も一緒に臨床で働き指導を受けていることに感謝の念が堪えません。国内での手外科医とセラピストの師弟パートナーとしてはおそらく最も長いと思われ、山もあり谷もあったかと思いますが私にとっては誇りであり自慢でもあります。このおかげもあり国内の多くの手外科医とハンドセラピストに知り合うことができ、いろいろな仕事を与えていただけたことにも感謝しています。
大学病院勤務時代は主に急性期が対象で、整形外科、脳外科、神経内科、呼吸器外科、小児科、その他多くの診療科の疾患を対象として勤務していました。ハンドセラピィ以外には脳血管障害の意識障害、がんの終末期、頸髄損傷、先天奇形などにも関心を持っていました。当時の国立大学病院のOT.PTなどセラピストの定員は2名が基本で、OT.PT各1名の2名で開院して、大学病院の基本である臨床、研究、教育の3本柱で、医局での医師との勉強会や情報交換などもあり多忙の毎日でした。働き方改革推進の昨今ではアウトになりそうですが、私にとっては充実した毎日であり現在の糧になっていると思います。
吉村整形外科医院に勤務してから現在の春江病院では手外科とハンドセラピィに特化した臨床になり、手外科医がいつも近くにいて診察、診断、手術などの情報を直接密に得ることができるようになりました。また自分が行っているセラピィを実際に見てもらい説明して確認を得ることは非常に有効であり、私にとっても自信につながってきました。
このような経歴でありますがこの原稿が掲載されたころは還暦を迎えていることでしょう。
めざせ 認定作業療法士、専門作業療法士
作業療法士は専門職です。専門的な技術を駆使して常に効果的でなくてはなりません。そして自分の持つ技術や能力を検証する必要があります。このような考え方を持って日頃の業務に精進することで認定・専門作業療法士につながっていくと思います。私の経歴の紹介が参考になるか不明ですが、これをお読みいただいた皆さんには自分のビジョンとライフワークを見つけて研鑽していただき、社会から必要とされる作業療法士をめざしてください。その結果として認定・専門作業療法士が福井県から多く輩出されることを願っています。