WEB版すいせん [2022年1月号]
「OT連絡部会(トップミーティング)」開催報告(内容のご案内)
一般社団法人福井県作業療法士会 副会長
医療法人 嶺南こころの病院
岡本利子
2021年11月28日、OT連絡部会(トップミーティング)を開催しました。今回の連絡部会開催は、我々作業療法士が時代に要請されていることと今後必要な動きを各施設の代表者の方々に、より身近なこととして捉えていただく機会を作りたい、との思いから、地域包括ケア推進部が中心となり、福井県士会理事会で検討を重ねていつもに増した協力体制の元で行いました。県内約150施設から60名の参加申し込みがあり、スタッフ一同、参加者の皆様との交流を心待ちに当日を迎えました。
はじめに日本作業療法士協会中村会長より、「2040年の作業療法士の在り方とは」と題して、日本は2040年に「人口減少と更なる高齢化率の上昇」に直面して消滅可能性都市は896市区町村と予測されている、そんな時代の新しい国づくりとして圏域ごとの地域包括ケアシステムを機能させる必要があり、各県士会は対応を迫られている、とのお話がありました。「協会の目は各OTには届かない。協会は旗を振り種をまく、士会は育て実りを患者に還元する」と協会と県士会の役割の違いと連携について明確にされ、協会の役割である「作業療法士の地位向上」として、これまでの作業療法の保険収載への働き掛け、今後のOT養成教育制度の変革構想を話されました。次いで田嶋福井県士会長から「方向性・運営について~みんなに笑顔を!ワクワクした楽しい県士会活動を目指して」の講演がありました。田嶋会長からは福井県士会の現状(2021年11月1日現在、福井県士会協会員543名中県士会活動者は約24%)と、職能団体の意義、県士会が作業療法士の得意とするところの①生活行為向上の視点をもって、②人材育成と組織力強化に取り組み、③行政や多職種との顔が見える関係づくり、を推進項目とし、県士会の目指すべき方向を理解していただいたうえで県士会と会員のエンゲージメントを高めたいとのお話がありました。お二人のお話を多角的で長期的な視点から見た本質的な利益は何か、を考えつつ聴いていただければ、このような職能団体の存在意義に気づいていただけると思います。
午後からは9班に分かれ、「現在の県士会の問題点や課題」とそれに対し、「今後どうしていけば良いか?」のグループディスカッションを行いました。参加者より、県士会活動が会員に身近なものとなっておらず大変なバイタリティのある人が行うイメージがあること、何をやっているのかよくわかっていない、ライフサイクル上の参加しづらい状況がある、魅力ある研修が少ない、等の意見が上がりました。他方、情報が欲しい、フランクな交流の場がほしい、インターネットを利用して繋がったりオンデマンド研修をしてほしい、作業療法の魅力を伝えてほしい、等の希望もあがり、今後当県士会が何をしていけば良いか、のヒントをたくさんいただきました。何より、参加者の皆さんが今回のグループディスカッションに参加してくださり、一生懸命考えてご意見を下さる姿にとても感動しました。この流れを止めないように、いただいたご意見を県士会で検討してできることから実直に形にし、会員の皆様に必要とされる県士会にしていきたいと思います。今回ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。また、ご参加いただけなかった方々とも交流できる機会を楽しみにしています。